オススメ漫画を掘り出そう/「ガットショット」「猫瞽女 -ネコゴゼ-」
今週のブログは、めちゃくちゃ面白い(※個人の感想です)漫画をご紹介。
「ガットショット」。なんとポーカー漫画です。現在4巻まで(Kindle版もあり)。
1巻の帯コメントは、「根暗少女が出会ったのは"ポーカー"という究極のマインドスポーツ――」。
主人公の女の子は引っ込み思案で、いつも人の顔色を窺いながら生きている子でした。自分をいてもいなくてもいい透明人間だと悲観していましたが、ふとしたきっかけでポーカー部の部員に着目されます。
むりやり連れてこられた部室でポーカー勝負をやったところ、勝ててしまった。
この子の「人の顔色ばかり気にしている」=「人間観察力」は、ポーカーにおいて強力な武器になる。ここなら楽しめるんじゃない? 部長にそうやって誘われて、主人公はポーカー部の一員となります。
この漫画は絵がうまくて、ストーリー展開がうまくて、ポーカーのドキドキ感も伝わってきて、つるりと読めてしまいました。
単純に面白いですし、今までずっと悲観していた自分のネガティブな面を、思いっきりポジティブに活かして日々を楽しみ始める主人公の姿が、なんだか気持ちいいです。
ちなみにこの本を知ったのは、書店で働いていて、私が"通"とこっそり認定しているお客さんが買っていったからでした。
他の人があまり買わないマンガやラノベを買っていくお客さんが何人かいます。最近、そういうお客さんのセレクトをなぞると素敵な作品に巡り会えることを知りました。
次はこちら。
「猫瞽女 -ネコゴゼ-」。現在2巻まで(Kindle版あり)。
著者名や絵を見てわかる人はすぐわかると思いますが、「朝霧の巫女」を描いていた宇河先生の新作です。
本作の舞台は、日本がソ連に占領されてしまったという1950年代を想定した日本。盲目の三味線弾きである主人公「夜梅」が秘めた恨みを晴らすべく、ソ連の権力が振るう横暴を人知れず斬り払いながら、気ままに日々を過ごす物語です。
「朝霧の巫女」を楽しんで読み切った方なら、間違いなくハマります。
和風な絵柄と、古めかしい語り口でじっとりと進む物語。
容赦なく鮮血が飛び散る剣劇。艶めかしい女性の肢体。
ほっこりと物語を和ませる温かいやりとりや、ギャグシーン。
こういった要素を絶妙なバランスで織り交ぜてくる漫画家さんは、宇河先生以外になかなか浮かびません。