歴史小説作家たちが語る光と闇/トークショーを拝聴して
6/3(土)に秋葉原書店ブックタワーにて、歴史小説作家の方々が開催しているトークショー(&サイン会)を拝聴してきました。トークショーの概要と感じたことなどを簡単に、ブログに書き残しておこうと思います。
●トークショー&サイン会を開催したのは?
「操觚(そうこ)の会」という、プロの歴史小説作家集団です。
操觚の会は、今回6/3に秋葉原で開催されたようなトークショーなどのイベントを精力的に、日本各地で実施されています。
ちなみに次は、7/16に沼津のマルサン書店さんで開催されるようです。操觚の会のメンバー秋山先生のTwitterより。↓
次はマルサン書店さん pic.twitter.com/5h1QlaC3mP
— 秋山香乃『龍が哭く』 (@kano_akiyama) 2017年6月10日
お恥ずかしながら、私はつい昨今まで操觚の会のことを知りませんでした。
ですが、5/25発売の拙著「小説同人誌をつくろう!」について、歴史小説作家の谷津矢車先生にTwitterでご感想いただくということがあり、谷津先生も参加されている操觚の会を知るに至りました。
「小説同人誌をつくろう!」(弥生肇 総合科学出版)読了。気軽なWEB投稿が流行している昨今、あえて小説同人誌はどう? これから小説同人誌制作を目論むあなたに捧ぐ、初心者向けハウツー本。
— 谷津矢車(戯作者/小説家) (@yatsuyaguruma) 2017年5月26日
↑そのときの谷津先生のツイート。
これをきっかけに谷津先生のツイートを拝見するようになったのですが、日常的にさまざまな本の感想などをつぶやかれていて、大変参考になるとともに、私も本を読まないといけないと痛感させられています。
ちなみに、私と古い付き合いの方はご存知かもですが、私は時代劇ライトノベルらしきものを書いては公募で撃沈、なんてことを一時期やっていたので(今も諦めてはいませんが)、こういう活動をやってらっしゃる作家集団がいることに興味を持ち、7/3のトークショーへ行ってみようと思ったのでした。
●6/3トークショーの概要
やはり秋山先生のTwitterからで恐縮ですが、こちら↓が告知ビラでした。
六月三日書泉さんでトークショー&サイン会やります。
— 秋山香乃『龍が哭く』 (@kano_akiyama) May 14, 2017
こちらは歴史に興味がなくても楽しめます。
出版業界が垣間見える二時間をお届けいたしますよ。
どなたでも参加できます。 pic.twitter.com/lYeAozexpx
Facebookの「操觚の会」のページにもこちらのリンク↓がありました(なぜかブログに埋め込みできず、通常リンクですみません)。
内容は、各先生方個別のトークタイムと、セッションとして下記①②のパートがありました。
①「出版業界の光と闇を潜り抜け、生き残るには!」
②「時代小説、歴史小説のこれからをさぐる!」
歴史小説作家の方々のトークショーということで、怖い方々の込み入ったお話を伺うことになるのかと、始まるまで実はビクビクしていたのですが……
実際はそんなことなどなく、和気藹々と楽しいトークやデビューまでの四苦八苦の日々、聞いちゃマズイような暴露話まで、あっという間の2時間強でした。
というわけで、箇条書きで恐縮ですが、印象に残った話題をいくつか順不同でご紹介致します。
・時代小説なんて、ライトノベルと同等以上に嘘ばっかり。史実や真実を正確に書いたものなんかじゃない。
・妄想力が重要。
・作品は、他の売れてる作家やらせちがらい現実やらへの嫉みの結晶であることも。
・売れてる作家には消えてほしい(会場爆笑)。
・出版業界の「光と闇」の話をしていたはずが、「怒りと闇」の話ばかり出てきた。
・読書は基本的にマイナーな趣味である。と思っておくべき。
・(6/3のトークショーにおいて)「5/15〆切で約320枚の作品の進捗が、今100枚くらいです」というお話が飛び出した。会場に編集さんもおられた模様。
・書きたいものの構想を話すと、大体は編集さんが冷たい顔で「却下」と即答する。
・お金持ちの家には大きな本棚があって本がぎっしり詰まっている。成功するためには、お金持ちになるためには、大きな本棚を買うべし(?)。
・公募ではまったくうまくいかず、大金をかけて本を自費出版した。その本に企画書を添えてたくさんの出版社に送りまくったら、1箇所拾ってくれるところがあった。その企画群はボツになったが、その場で出任せに話した案が次の本のネタになった。
・編集者が受賞の電話連絡を忘れていて、授賞式1週間前の電話で知らされた。貯金が尽きて人生が詰みかけてさてどうしようかという時期だった。
・作家になったらまず編集者に「今の仕事を辞めないでください」と言われる。
・10年で150冊とか、37巻までシリーズが続いているとか、そんな方々が操觚の会にはゴロゴロ。
・映画「ポッピンQ」はとにかくオススメとのこと。
とりとめもない感想にて申し訳ありませんが、こんなお話を終始楽しく伺いました。
出版業界、作家業、とりわけ歴史小説は非常に困難なジャンルであると改めて感じましたね。そして同時に、私が交流のあるライトノベル作家の方々やそっち方面の業界と多分に似通った部分があるのだと知りました。
心から、拝聴できて良かったと思えるトークショーでした。皆様ありがとうございました。また機会がありましたら、参加してみたいと思います。
●最後に……先生方の近著を
Twitterで相互フォローになっていただいてる操觚の会の先生方の近著をご紹介まで。私はまだ読めておらず本当に申し訳ないのですが、拝読いたしましたら別途また、感想などをどこかに書きたいと思います。
●谷津矢車先生
●秋山香乃先生
●誉田龍一先生