ポジティブ物書きの雑記帳

物書き、弥生肇のブログ

台湾行ってきました@2015/10/22-25、初日レポ

二カ月遅れですが、台湾に行ってきたレポートを書きます。

2015/10/22(木)~25(日)に台湾に行ってきました。
思い立ったきっかけは、10/24に台湾高雄市(カオシュン市)で開催された艦これオンリーイベント及び、そのイベントに併催されたツアーで台湾の軍学校に保管されている駆逐艦雪風(丹陽)のスクリューが観られるということでした。


●ざっくり旅程
10/22(木):
羽田空港国際線ターミナル->台北松山(ソンシャン)国際空港
松山->高雄市@電車・地下鉄・新幹線のTHSR(Taiwan High Speed Rail)
高雄市内に宿泊

10/23(金):
高雄市内観光、ツアー、艦これオンリー前夜祭

10/24(土):
艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!第二十戦目」@中山大學
高雄->桃園(タオユェン)@THSRなど

10/25(日):
桃園国際空港->成田国際空港


●出発、初めての羽田国際線ターミナル
私はサラリーマン時代に海外営業担当をやってたので、成田空港から海外へ行くのはそこそこ経験してましたし、羽田の国内線ターミナルは仕事・プライベートでかなり使ってたんですが、羽田の国際線は初めてでした。

行ってみたら、超きれいなターミナル(まだ出来て数年ですしね)と良さげなお店が並んでて、最初からテンション上がりました。当時停滞気味のビジネス書案件について編集さんからメールが来てスマホで返信しつつも、テンション高めでした。

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日本橋がありました。

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蕎麦を食しました。

飛行機に搭乗して……

f:id:yayoihajime:20151224045214j:plain富士山。まだ、冠雪してませんでした。


●台湾到着 ~ 高雄へ!

松山国際空港へ到着。松山はソンシャンですが、私は「まつやま」としか心の中で読んでませんでした。
到着したら、当たり前ですが書かれてる言語が台湾の中国語、繁体中文ばかり(略さない難しい漢字)で、小さく日本語や英語が書かれてたりするものの、基本、なにもわからない
MRT(Mass Rapid Transit、台湾都市鉄道。台北周辺の地下鉄みたいなものです)の駅へ辿り着くのに随分うろうろしてしまいました。日本語と英語はできるし漢字は読めるから大丈夫だろうと思ってたのが甘かったと、到着5分で痛感。

駅に到着したら、今度は切符を買うので一苦労。というか、日本で言うSuicaみたいな悠遊カード(EASYCARD)というデポジット式のカードを買って楽しようとしたんですが、EASYCARD発券機がなかなか見つからず、またうろうろ。
しかも後で気づくんですが、EASYCARDは台湾南部高雄市の路線では全く使えない(違うカードがある)ことを知り、チャージしたお金をほとんど無駄にすることになりましたorz。事前リサーチ、大事です……。 

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電車に乗り、新幹線(THSR)に乗れる台北(台湾首都)駅を目指します。

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向こうの駅は、日本の駅と使い勝手がさほど変わりません。
ただ、もっと言うなれば車両の中の構造(椅子などの配置)は米国そっくりで、駅のつくりはシンガポールそっくりだなあと思いました。(※私は米国とシンガポールしか行ったことがない)

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台北駅だったかなあ? 向こうのソシャゲの広告。こういうのがどかーんとあるのも日本とそっくりというか、日本以上に多く感じた。写真撮り忘れましたが、メルクストーリアらしき広告もありました。

新幹線のチケットを慌てて買ったら、買ったときから3分後に発車する便の指定席で、猛ダッシュしました。乗れた。
ちなみに台北高雄市まで台湾をざっくり北から南まで縦断するのですが、約2時間です。お値段は6500円くらい。日本で2時間新幹線に乗るのと比べると、安いですね。

松山空港についたのが午後4時くらい。
台北駅に午後5時くらいで、THSR終点の左営(ツォイン)駅に着いたのが、午後7時くらいだったかな。新幹線の中では、うとうと寝たり、iPhoneKindle電子書籍を読んだりしてました。「亜人ちゃんは語りたい」を読んでた。

左営から電車を乗り継いで、ホテルのある最寄駅を目指します。
道中のツイートなど。

高雄の地下鉄で初めて乗り込んだ車両が、いきなり女の子のラッピング電車で噴いた。ちなみに、三日間の滞在でラッピングに乗れたのはこの一回だけでした。 
※「MRT」とつぶやいてるのは厳密には間違いで、高雄市の地下鉄は、KRTC(高雄捷運、カオシュンMRT)という名前でした。

KRTCはこの女の子たちを駅中の表示や告知にフル登場させていて、「もうなんか、頭がこの子たちでいっぱいですわ」状態になりました。 駅や電車内で、この子らのイラストばかり探してしまい、台湾になにをしにきたのか早速見失いかけました。

なお、ホテル最寄駅は 「鹽埕埔」という駅でした。「Yanchenpu」と読むらしいです。ヤンチェンプ?

ホテルまでなんとか辿り着き、近くを流れる「愛河」(アイホー。またはLove River)周辺を散策。夜景が有名でよくカップルがいる場所らしいです。

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f:id:yayoihajime:20151224053611j:plainマック。 

f:id:yayoihajime:20151224053714j:plain向こうの招き猫?

f:id:yayoihajime:20151224053844j:plain落書き(ストリートアート、スプレーアート)はどこも似た感じなのですね。

 

f:id:yayoihajime:20151224054448j:plain旅先で必ず寄ってしまう、そこの書店。

こんな感じでどうにか台湾へ辿り着き、初日の夜が更けてゆきました。
続きはまた、二日目レポで。(書いたらここにリンクはります) 

晩秋の埼玉、かなめぐり

記事を書くのに随分間が空いてしまいましたが、11/14(日)に、花澤香菜さんのアコースティックライブ「かなめぐり ~歌って、読んで、旅をして~」の埼玉公演に行ってきました。

公演の詳しい内容は上記公式サイトへ。2月まで開催されています。
なお、今回のツアー開催地はいつもとちょっと違う場所ばかりです。ライブのMCで香菜さんもおっしゃってたのですが、「いつも東京とか大阪とかばかりだから、今回はいつも行けてない場所でライブをやって、いつも来られない方が少しでも来やすいように」とのことで決められたようです。


埼玉公演は、埼玉県入間市の、入間市市民会館で行われました。
なお、市民会館の写真は撮り忘れました。いつもの弥生肇クオリティです。。

でも、違う場所の写真は撮っています。f:id:yayoihajime:20151128025025j:image
とあるよさげなコーヒー店……の看板です。爆

とことこ電車に乗って、ライブ開場時間の一時間前くらいに市民会館に着きました。
早めに着いた理由は他でもない、物販です。欲しかったのは文庫のブックカバーなんですが、全然並んでなくて余裕で買えてしまい、時間が余りました。
そこで、会場周辺でちょっと時間をつぶせる場所を……と探して、10分くらい歩いた場所にあるコーヒー屋さんに入ったのです。それが写真の看板のお店。

なにげに、埼玉の地をうろうろするのは人生で3回目でした。
1回目は、水樹奈々さんのライブ@西部ドーム。
2回目は、「あの花」のイベントANOHANA FES@秩父ミューズパーク。

……なんかそういう系統のイベントでしか訪れてませんね汗。

とにかくも。埼玉って、なんだかのんびりした空気が流れている気がして好きです。
ちょいと電車に乗れば秩父や山の方面へ行くこともできるし、東京に出るのも簡単。
最近、普段暮らしはこういうところが気楽かもなって思ったりしちゃいます。歳でしょうか。そんなことはないはず。ほら、人とのやりとりって大体ネットでなんとでもなるからですよ。歳取ったからじゃない。


前置き長くなりましたが、コーヒー屋でのんびりしてから、ライブへ向かいました。
入り口ではお約束の「カメラなど撮影・録画できる機器をお持ちではないですか?」という声かけチェックがあったのですが、鞄の中をしっかり見られたりすることはなく、ほとんど儀礼的なやり取りになってるなーと感じました。なぜなら、今はスマートフォンで撮影も録画もできますからね。でも、そういう声かけや場内アナウンス、そしてなにより来場者の善意があるから、不正に撮影・録画したものが出回ったりしないのでしょうね。なんか、そういうの、いいな。

入り口を抜けるとすぐ、お祝いの花やメッセージなどが飾られています。
f:id:yayoihajime:20151128025039j:imageカメラチェックの直後に、スマホでばしゃばしゃと写真を撮る皆さん。そして、「撮影はお早めにお願いしまーす」と声かけしているスタッフ。野暮なツッコミはせず、私も1枚パシャリ。

 

しばらくして、ライブ。
香菜さんのライブやイベントは、DTBやら文学少女やら、アルバム出るごとのツアーやら、もう何度も足を運んでるのですが、徐々に大人の女性になっていく感じがして、その、なんというか、感極まりますね(涙)。えっと、これを読んでる方々引かないでください。

ツアーの副題に「歌って、読んで、旅をして」とあるように、歌うだけでなく、朗読がありました。文学少女の遠子先輩役(ドラマCDやイベント、映画等で、朗読(的)シーンが山ほどあった)を経て、朗読にもちょっとしたもののある香菜さんです。
今回のツアーでは、各開催地ゆかりの昔話をいくつか読むというスタイルで、埼玉に伝わる昔話をいくつか聞かせてもらいました。
ちなみに、プロといえど、ライブでの長い長い一発朗読なので、間違うこと、噛むこともあります。そういうときの、「噛んじゃった……ごめん」と言いつつ読み直す香菜さんが、また素敵なのです。(これを読んでる方、引かないでください)

楽曲はアコースティックアレンジがなされていて、アコギとキーボードのみの編成。でも、結構アップテンポの曲もありましたね。
またMCでパンに関するトークが大部分を占めたりと、相変わらずの香菜さんでした。


雨がしとしとと降る晩秋でしたが、だからこそ、入間市での時間はどこか静謐としていて、日常を忘れられるひとときでした。


そうそう。MCで、「11/14って埼玉県民の日らしいよ!」と香菜さんがおっしゃってたんですが、帰りに立ち寄ったモスバーガーで、埼玉県民の日のフェアをやってました。

700円以上?買うと、埼玉バッグをもらえるということで。 

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もらってきました。

発刊してる電子書籍がAmazonの公式セールに取り上げられました

私が主宰してる電子書籍レーベルHybrid Libraryで刊行してる作品「ひめとり!」が、Amazon公式の月替わりセールに取り上げられました。

12月いっぱい、半額となっております。 

ひめとり! (Hybrid Library)

ひめとり! (Hybrid Library)

内容は、鬼の姫やたくさんの妖怪たちが出てくる中で繰り広げられる、王道にしてハートフルなライトノベルです。


妖怪といえば、「ゲゲゲの鬼太郎」などでお馴染みの水木しげる先生が先日亡くなられたことを思わずにはいられません。
私自身、物心つき始めた頃に鬼太郎のアニメを観て妖怪というものを覚えました。「妖怪」と言われると真っ先に思い浮かべるビジュアルは、水木先生の描かれたキャラクターです。

それからいろいろな創作物に触れ、自分の中にももう少し幅広い妖怪のイメージ、認識があります。この「ひめとり!」も、著者の晴丸さんが妖怪に関する深い想い入れを元に書かれたもので、「へ~、妖怪ってこういう存在なんだ」と思わせられるような、じっくり作り上げられた世界観(妖怪観)とキャラクターたちの空気があります。


妖怪が好きな方、あるいは妖怪についてあまり知らない方……この作品で、人とは違う彼らに触れてみるのもいいかも知れませんよ。

最近読んだ同人誌の感想を無造作にまとめておこう

夜中にTwitterで、どぅあーっとつぶやいたのを、なんとなくまとめておきます。

同人誌に詳しい方も疎い方も、「へー、こういう本があるんだあ~」と、眺めてみてもらえれば幸いです。


●11/15開催のコミティア関連

 

 

●8月コミケ、9月東京、10月台湾での、艦これ関連

 

雪風のいる生活

艦これ駆逐艦雪風」がfigmaになりました。

動かして遊んで適当に写真撮ってツイートしたのを、なんとなくブログにまとめておきたくなったので。

 figma箱の上部。この笑顔がたまりません。

まずは素直な写真から。

後ろ姿を。
ちなみに、「低いアングルからの撮影は禁止です、しれぇ!」とのことです。

わからないと言いつつ、ポーズを取ってくれます。

このニッコリ顔はゲーム中にはないんですけど、これが雪風のデフォ顔のような気がしてしまうほど、かわいいです。

島風と天津風が乱入してきました。というか、天津風は引っ張ってこられました。このあとすぐ、走って逃げました。

この二人の組み合わせ、好きなんです。

この人も引っ張り出してみました。ネタにして申し訳ありませんが、私は赤城さんも好きですよ。ちゃんと、ケッコン艦の一人です。

これもやっておきたかった。


というわけで、figma雪風でした。
雪風好きの方は、家に一人いていいんじゃないかと思います。

 

『妹資本』ってなんぞ?

私は一人っ子で、兄弟姉妹というものに憧れがあります。
とりわけ妹というものに。
実際に妹がいる人は、口を揃えて「そんなにいいもんじゃない」と言うんですけど。頼ってくれる人も何かを欲しがったりしてくれる人もいないというのは、それはそれで案外つらいんですよ? 今風に言うと、承認欲求ってやつとか。


とにかくも、妹に憧れるんです。
そんな私がチェックせずにはいられない本が刊行されました。

 株式会社」。略称は「まいかぶ」のようです。
(11/3が発売日ですが、祝日の影響で、日程前倒しで書店に並び始めているようです)


いったいどんなお話なのか。
いろいろと妄想が膨らむタイトルですが、なんと本作は、著者の原中三十四先生が自ら公式サイトを作るという荒技をやってのけています。純度100%、著者が紹介したい内容が、下記サイトに詰まっています。

内容をかいつまんでみましょう。
サイトから切り抜かせてもらった「妹株式市場の仕組み」(下記画像)によれば、

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・「妹株式会社」が「妹資本」をもとに、「妹株」を発行する。
・「投資家お兄ちゃん」は、「妹株」を購入し、そこから「分配・回収」=配当金にあたるリターンを得るようです。そして会社は、株で集めた資金を元に、事業を行う。
事業内容は、例えば「妹資本」がタイアップ企業の広告塔として活躍するなどの活動を行うなど。

 

ぱっと見、ここまでなら、実際の芸能事務所とそこに所属する女性タレント、そしてそれをファンクラブ等に入って支えるファンの関係に似ている気がします。あるいは、投票券のついたCDをたくさん買って投票してそのアイドルの評価を高めようとするのとも似ています。

ですが本作は、「妹」であること、「株」という運用形態になっています。
その点で、どれだけお兄ちゃんを喜ばせてくれるユニークな展開が待っているのか、またビジネス面でのシビアな展開を見せてくれるのか、楽しみです

 

以下、失礼を承知の上で、ちょっとしたぶっちゃけトークですが。

著者の原中先生とは数年来のお付き合いの仲です。
短くないお付き合いの中で、いろいろな話を伺いました。

原中先生は、何度も何度もいろんな職種に挑戦して、成功と失敗の繰り返しだったようです。
学生の頃に起業して長続きしなかったり。
俳優にも挑戦して、脇役端役で大変な思いをしながらも、いろいろな現場を経験し。
作家・ライターとして、いろいろなジャンルの小説、その他もろもろ書かれています。
なぜか、コンサルティング業まで経験されてます。
今は、アパレルの会社経営までされています。

1つの職種だけで人生やってこれてる人は、それだけその仕事がうまく行っているか、少なくとも大きな失敗はしていません。一方、多々の職歴を渡り歩いている人は、いろいろな困難や失敗、挫折、辛酸を知っています。
成功だけじゃない。七難八苦を経て、今も立って歩いてる人がビジネスを絡めながら書いたライトノベル、読んでみたくありませんか?

そんな原中先生の、入魂の一冊がこの本です。
2014年から、数え切れないほど本作への想いを聞かされてきました笑。長電話とか、夏コミで並んでスペースに座って長話したり、飲み会だったり、etc。
だから私は、先生の友人としてはもちろん、一個人として、昨今の流行のラノベと全然違う内容の本作をとても楽しみにしていました。


なんか一風変わったライトノベルを読みたい方は、是非本作をお手に取ってみてください。私は通販から届くのを待っている最中です。

ちなみに、特定の書店で買うと特典がつくようですよ。

-----◆妹株発売記念 店舗特典情報-----

店舗限定ショートストーリー 取扱ショップ
とらのあな(限定特典ショートストーリー)
ブックランドあきば高島店(限定特典ショートストーリー)

店舗限定オリジナルプロマイド 取扱ショップ
アニメイト(限定特典オリジナルプロマイド)
ゲーマーズ(限定特典オリジナルプロマイド)

協賛店ご購入共通特典 取扱ショップ
中目黒ブックセンター(購入特典:協賛店ご購入特典ショートストーリー)
北野書店(購入特典:著者サイン色紙 & 店舗限定ショートストーリー)
Booksアイ草加店(購入特典:著者サイン色紙 & 協賛店ご購入特典ショートストーリー)
ブックランドあきば高島店(購入特典:著者サイン色紙 & 協賛店ご購入特典ショートストーリー)
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オリオンと、悖らず・恥じず・憾まず

 今日明日はオリオン座流星群がよく見える日のようです。

私も先ほど、夜空を眺めてきました。
東京の明るい夜空でも、ベルトの三連星と周囲の星を見つけることができました。流星群は見えませんでしたが、久し振りにぼーっと夜空を眺めたのはちょっと楽しかったです。


閑話休題


今日のブログは、10/24に台湾高雄市で開催される艦これオンリー同人誌即売会砲雷撃戦!よーい!第二十戦目」に参加をするので、その告知をと思って記事を立てています。
なぜオリオン座から記事を書き始めたかというと、今回書いた新刊のサブテーマにオリオン座を絡めたからです。

新刊は「雪風九十九島のオリオン」です。

f:id:yayoihajime:20151022002644j:image10/20に印刷所栄光さんに入稿して、10/21に刷り上がった本が自宅に届く。基本的にやってはいけない、「当日プラン」を今回もやっちまいました。栄光さんありがとうございます……。f:id:yayoihajime:20151022011339j:plain
告知画像(おしながき)、クリックで拡大。イベントに来られる方は是非A-20へお立ち寄りください~。
 

●今回の新刊を書いた背景など

太平洋戦争を生き残った"奇跡の駆逐艦"「雪風」は、復員輸送任務の後に賠償艦として台湾へ引き渡され、中華民国海軍旗艦「丹陽」に生まれ変わり、戦後も20年以上台湾で稼働し続けました。
ゲーム「艦これ」ではそんな雪風を、超がつくほど明るく前向きでひたむきな女の子に擬人化しているのですが、彼女はきっとただ明るいのではなく、それだけの悲劇と誰にも言えない想いを抱えたまま、他のどの艦よりも長い間働き続けたからこそ、そういうキャラクターたりえてるのだと思います。

艦これ雪風について語るといつまでも告知に入れないので止めますが(いつか雪風に関してのブログ記事を書きます)。

そんな雪風のことが私は大好きで、雪風=丹陽が最期を迎えた台湾での艦これオンリーイベント、それもイベント主催の前川さんが、雪風のスクリューが保管・展示されている高雄市海軍軍官学校の見学会を敢行してくれる(軍施設なので、個人で行ってもスクリューは見ることができません)ということだったので、台湾行きとイベント参加を決めました。
サラリーマンを辞めてから困窮している私ですが、まだ社畜時代に出張しまくって溜めたマイルが残ってたので、それでフライト代を捻出しつつ……。

そして、せっかく台湾で同人誌を頒布するなら、丹陽の話を書くしかない!
というわけで、新刊は、「丹陽となった雪風が日本へ里帰りする話」を書きました。
実在の駆逐艦雪風は台湾へ渡ったあと、一度も日本へ帰ることなく艦命を終えます。1960年代に雪風返還運動が起き、当時の岸総理大臣も巻き込みながら台湾との交渉が行われましたが、その間に老朽化した丹陽が台風で破損し、結局解体されてしまったというのが、一般に言われている史実です。(他にいろいろな背景を推測する説がありますが、詳細は明らかになっていません)。
ですがそんなのは悲しすぎるので、二次創作でくらい、雪風にちょっと違う想いをさせてあげたい。そんな気持ちが発端で、今回の話を作っています。
でも極力史実にも沿うよう、ストーリーにいろいろな工夫を仕込んでみました。

雪風の短編小説を書くのは4作目ですが、今回もとある艦娘に登場してもらっています。
その艦娘と関係ある創作物に「オリオン座」が出てくるものがあったので、タイトルやストーリーのサブテーマにオリオン座を盛り込んでみました。
ギリシア神話の猟師オリオンには含蓄に富んだ設定があります。父である海神ポセイドンから海上を歩ける能力を授かり、オリオンは無類の優れた狩人となり、己の力に驕るようになります。ですがある日、地中から現れたサソリに刺されて死んでしまいます(たくさんあるオリオンの逸話の一つです)。
優れた狩人で海上を自由に動き回る力すら持っていたのに、地上でサソリにやられてしまう。これは、なかなか考えさせられます。
オリオンの「海上を歩ける」とか「優れた狩人」とかいう点は、なんかそのまま艦娘を想起してしまいました。加えてオリオンの性格を見ているうちに、アニメ「艦これ」の中に出てきたとあるフレーズを思い出しました。水雷魂、「悖らず・恥じず・憾まず」です。
己の力に溺れたり、非力を恥じたり、他者を疎んだり嫉んだりしない。ただありのままに自己の研鑽を積み、己を見つめ、成長する。そんな風に私は解釈していて、この言葉はアニメ艦これの主人公「吹雪」の生き様を見事に表してると思いました。
私はなかなか実践できなくて、成功したら鼻高々になるし、失敗したら凹むし周囲に当たり散らすし、成功者は妬ましいです。
でも、そういう己を、ほどよく律することができるならば。人生はちょっと楽しい方向に変わる気がするんですね。"ほどよく"というのが大事で、水雷魂を徹底しすぎると、それはそれで窮屈に過ぎる日々になってしまうと思います。
そんな想いをテーマにして、今回のストーリーの中にそっと溶かしてみています。 

ちなみに「九十九島」というのは、佐世保の群島がある海域を指します。国立公園に指定されています。私は佐世保育ちで、雪風佐世保生まれの艦です。というわけで、お話の舞台は佐世保です。

台湾のイベント以降も、11月の広島での艦これオンリーや、12月冬コミ(当選してれば)などでもこの本は頒布予定です。
よろしければ、お手に取ってみてくださいませ。
あ、小説の冒頭だけはpixivに置いています。あまりネタバレしたくないので本当に冒頭だけです、ごめんなさい。

全然イベントの告知にフォーカスしてない記事になってしまった……。