ポジティブ物書きの雑記帳

物書き、弥生肇のブログ

2019W13・14の映画鑑賞雑記

W13も映画を観てはいたんですが、ブログは遅くなりました……。
というわけで、2週分をまとめて。

 

●「サッドヒルを掘り返せ」

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「サッドヒルを掘り返せ」、現代 「SAD HILL UNEARTHED」です。

前回のブログで言及した西部劇映画「続・夕陽のガンマン」クライマックスで舞台となった墓地サッドヒルは、荒野に十字架が並ぶ非常に印象的な風景で、その中央部にある広場で繰り広げられる決闘が手に汗握る名シーン。

そんな「サッドヒル」のロケ地はスペイン北部ブルゴスの渓谷にあるのですが、なんせ「続・夕陽のガンマン」は50年以上前の映画で、しかも撮影以来誰も手を入れておらず、原っぱになってしまっていました。
そんなかつての名ロケ地を、とある「続・夕陽のガンマン」ファンたち……いえ、あえてオタクと言いますが、オタクたちが「復元しよう!」という活動を起こし、苦難を経て見事にサッドヒルを復元した一部始終を収めたドキュメンタリー映画です。

原っぱをスコップで掘り起こして、ロケに使われた石畳を掘り起こし、十字架を何百個も作り直し、石壁を積み直し……最初はボランティア活動だったのが、あまりに大変だったためFacebookで呼びかけたら同映画のオタクが山のように押し寄せ、クラウドファウンディングでも資金が集まり、数年かけてようやく成し遂げたオタクたちの偉業。

本当に何かを好きな人たちが、好きという気持ちを原動力にものすごいことを成し遂げる……すごくパワーをもらえる映画でした。
人の活動って、こう在りたいものですよね。その結果として生きるためのお金が得られる……というのが理想なのですが。

50数年前に主役のガンマン役だった美青年が、今は屈指の老監督・老俳優となっています。クリント・イーストウッド。今は89歳なんですねえ。まだまだ面白い映画を創って、面白い演技を見せて欲しいものですね。

 

●「運び屋」

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 というわけで、クリント・イーストウッド監督・主演の最新作「運び屋」を観てきました。いやー、ジョークが端々に利いていて、ヒヤヒヤする展開もありつつ、しっとりとヒューマンドラマを魅せてくれる、良い映画でした。

ネタバレしたくないので内容には特に伏せませんが、運び屋という単語で連想できる物語で、特別ぶっとんだ話ではありません。でも、本当に面白い。

というか、繰り返しますけど、89歳でこんな作品の監督と主演をやってしまうなんて、本当に元気なおじいちゃんですね。そんな主演のイーストウッド扮するアールという老人が、家族のためにとある行動をするわけですが……私はあそこまでの行動に出られるような大切な存在……家族とか恋人がいないなあ、と、映画を観終わってスタッフロールを観ながら、なんだか悲しくなってしまいました。
こういう父親とか祖父とか、いなかったなあ……なんて思いつつ。思えば私の父は2003年に73歳で他界したんですが、生きてたらイーストウッドと同じ歳なんだなと気づいて、不思議な気持ちになりました。

どこまで長生きできるか、どんな人生を自分が歩むのかわかりませんけど。今のところ、微妙な感じなんですけど苦笑。最近イチロー国民栄誉賞を「人生の幕を下ろすときにいただけるように頑張りたい」と辞退して話題になってましたけど。
私も、大切な人や家族を見つけて、自分の人生に達成感を感じながら過ごせる晩年を迎えたいなと思いました。
……んなこと考えるの早いか??