ポジティブ物書きの雑記帳

物書き、弥生肇のブログ

Hybrid Library作品「青春くろーび」の編集者自身による紹介

私は同人電子書籍レーベル「Hybrid Library」で、自著や作家友人・知人の本をKindle化して刊行する活動をやっています。
なお、レーベル名の略称は「はいぶらりー」「HL」です。

今日のブログでは、レーベル作品の一つ「青春くろーび」をご紹介します。

前回の下記「スマイル」紹介ブログに続き、今回も、はいぶらりーの公式サイトやAmazon紹介ページではできないようなネタバレや裏話を織り交ぜつつお送りします。

「青春くろーび」

f:id:yayoihajime:20150912134857j:plain<画像クリックでAmazonへ>

著:いすみゆつ/絵:かじ

●著者とイラストレータ

著者のいすみゆつさんは、ラノベ、一般文芸問わず、青春エンターテインメントに意欲を燃やす作家さんです。私は、別の作家さんを介してお知り合いになりました。
ちなみに、ご自身でもKindleで作品初恋モブ式 ~ご主人様の武器~」をリリースされています。「青春くろーび」と同様に、あるいはもっと青臭いささやかな思春期の一瞬を切り取ったような作品です。

 (9/12、21時頃追記)本ブログを公開後、いすみさんから下記ツイートの埋め込み許可を頂きましたので、掲載します。

つぶやかれているように、「スマイル」著者の今福さんと同じく、いすみさんも商業デビューされている作家さんです!

イラストのかじさん私が主催してたライトノベル合同誌Hybrid!シリーズで最初期からイラストを描いて頂いている方の一人です。ソーシャルゲームのイラスト等で活躍されています。

「青春くろーび」のイラストレーターも、いすみさんと私でいろいろ検討して、かじさんにお願いすることになりました。
表紙や口絵で、細かい要望にいろいろ応えて頂いたり、たくさんのラフ案を頂いたりと、本当にありがとうございました。

●作品内容(※注:ネタバレあり)

表紙イラストやタイトルからわかると思いますが、「くろーび」=黒帯というわけで、柔道ものです。それに、「青春」がくっついています。

柔道。激しくて、ネガティブに言ってしまえばむさ苦しいスポーツというイメージがあるかも知れません。あるいは、谷亮子選手や「YAWARA!」を思い出すかも。
ですが本作では、表紙の女の子が白帯をしめていて、後ろにいる子は制服姿でいかにもマネージャーっぽい感じ。そしてライトノベル風タイトル。
もしかしたら皆さんは、ゆるふわ日常系の百合っぽくて、まじめに柔道やってなさげなお話を想像されるのではないでしょうか。

ところがどっこい。
本作は上記のどちらにも偏ることなく――絶妙なバランスで、柔道のスポーツものとしての面白さ、女の子たちのほんのり甘酸っぱい青春、そしてささやかな百合風味を合わせ持つ、丁寧に調理された物語なのです。

ネタバレも辞さずに、お話の冒頭に触れてみましょう。

*****

本作の主人公である海風壬舟(うみかぜみふね)は小さい頃から病気がちで、スポーツなど論外の身体だった。
そんな彼女が幼い頃のある日、いじめっ子に悪さをされているのを、同じ年頃の黒髪少女に助けられるという体験をする。その少女は颯爽と現れ、いじめっ子を見事な背負い投げで撃退してくれたのだった。

その日から壬舟は、柔道に夢中になる。
相変わらず身体は弱くて、実際に柔道をやることはなかったけれども、友人から「ジュウバカ」と呼ばれるほどに知識を溜め込み、試合を観て……壬舟は、脳裏に浮かぶ様々な柔道の技のイメージを、絵に描いた。

何枚も、何十枚も何百枚も、やがて一万枚も、彼女は絵を描く。
自分が柔道をする姿を、あるいはあの少女のような、黒髪を靡かせながら繰り出す究極の背負い投げを求めて、絵を描きまくった。
そうやって柔道に触れているうちに、壬舟は、度が過ぎるほどのポジティブな性格となっていった。それは、彼女に背負い投げを見せてくれた女の子と、それから抱くようになった柔道への興味と憧れゆえ。

いつしか中学を卒業する頃合いとなり、壬舟の病気はほぼ完治。4月からは高校生。
壬舟は満を持して、柔道を始めようとする。
身体は健康。イメージトレーニングは隙なしの完璧。「ジュウバカ」な性格は底なしポジティブでほとんど「バカ」しか残らないくらいに脳天気。

喜び勇む壬舟を高校で待っていたのは――
柔道部ではなく、同好会「くろーび部」だけだった。
それでも「ジュウバカ」壬舟はめげない。
同じクラスになった、壬舟曰く「柔道着を着せてポニーテールにしたら完璧」の少女、千歳崎巴(ちとせざきともえ)を、彼女は柔道をやりたがらないのに無理矢理マネージャーにして巻き込みながら、「くろーび部」での日々が始まる。

蓋を開けてみると、「くろーび部」にいた先輩二人は、下手な柔道部よりも遙かに腕の立つ曲者揃い。柔道どころかスポーツ全般初心者の壬舟はボロボロになりながらも、やっと柔道をできる喜びをかみしめる。

f:id:yayoihajime:20150912144204j:plain女の子四人の「くろーび部」には、道場(?)破り、顧問探し、巴の悪い噂と彼女の本性暴き、そして初の公式戦など……この一冊で、数々の出来事が描かれる。

*****

月並みにしか言えないのですが、ごくごく言葉のままに、「面白い」一冊です。 

 

ちなみに、皆さんの応援次第かもしれませんが……
いすみさんとは、「2」や「短編集」の計画も練っています。

 

↓はいぶらりーの公式ページでは、著者いすみさんのメッセージも載せています。

気になった方は、ぜひ読んでみて頂ければと。特に、百合好き or 柔道好き。びっくりするくらいしっかり柔道やってますよ、練習から試合まで。


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