ポジティブ物書きの雑記帳

物書き、弥生肇のブログ

Hybrid Library作品「スマイル」の編集者自身による紹介

私は同人電子書籍レーベル「Hybrid Library」(下記リンク)で、自著や作家友人・知人の本をKindle化して刊行する活動をやっています。
なお、レーベル名の略称は「はいぶらりー」「HL」です。

今は下記4冊刊行していて、5冊目を準備中の段階。
今日のブログでは、このうちの「スマイル」をご紹介してみようと思います。

「スマイル」 著:今福エヌ/絵:鴨川
「青春くろーび」 著:いすみゆつ/絵:かじ
ダイヤモンドダスト ―灰になった宝物―」 著:弥生肇/絵:kyuri
「ひめとり!」 著:晴丸/絵:みやのより

9月刊行予定
「私たちのバイクの旅と、ささやかながら与えられた救いについて」
著:一ノ瀬芳葵/絵:じゅり

せっかくの個人ブログなので、はいぶらりーの公式サイトやAmazon紹介ページではできないようなネタバレや裏話も書いてみようと思います。

 

「スマイル」

f:id:yayoihajime:20150906160730j:plain<画像クリックでAmazonへ>

著:今福エヌ/絵:鴨川
はいぶらりーの1作品目となった「スマイル」です。

●著者とイラストレータ

著者の今福エヌさん。実は、今までに2つのレーベルから計6冊の本を刊行している商業作家さんです(名義は別)。私とはTwitterでいつからかの付き合いで、友人と呼んでいいでしょうか、仲良くさせてもらってます。
はいぶらりーの話をしたところ、興味を持って頂き、参加してもらうことになりました。はいぶらりーでこれからも作品をリリース予定です。

イラストの鴨川彰さん私が主催してたライトノベル合同誌Hybrid!シリーズで何度かイラストを描いて頂いたりと、やはり数年来のお付き合いです。
今福さんといろんな方のイラストを見ながら検討して、鴨川さんにお願いすることに決めました。

●作品内容(※注:ネタバレあり)

パチプロの道元和虎はある日、活発な少女ヒカルと出会う。
「あのね、あたし、今日帰る所無いんだ。だからね……、よかったらお兄さんの家に泊めてくれない? 泊めてくれたら、あたしの事、タダでしていいからさ」

ヒカルは援助交際の常習者だった。学校へも通わず、その身体で彼女の養父と母の生活を支えてきたらしい。そんな日々を彼女は「普通」だと認識していた。だが今は父も母もどこかへ行っていて、家に帰れないらしい。

和虎は、大企業グループを束ねる男を父に持つ、富豪の家の生まれ。周囲は大人も子供も色眼鏡を通してしか彼を見ず、和虎はまともな友達を持つことができかった。彼はいつしか家を飛び出し、自暴自棄にパチプロで生きる日々に堕ちていた。

和虎は迷いを覚えつつもヒカルを家へ招き入れた。
そして二人は少しずつ心身の距離を縮め、やがて恋仲となる。
ヒカルは、歩んできた日々からは信じられないほどに純真で、笑顔のきれいな女の子だった。

そんな折、ヒカルの母親が姿を現す。明らかになっていくヒカルの過去――クスリ、堕胎、レイプ。全ては母と養父による虐待だった。

和虎は憤り、ヒカルの母とぶつかる。ヒカルを元の日々に戻したりなんかしない、ヒカルは渡さないと胸に決める。
彼は堕落していた日々を少しずつ改め、前を向き始める。
二人の生活が穏やかに流れ、ヒカルの母親とも、微かに打ち解け始めた。

だが、ある日。刑務所に入っていたヒカルの養父が帰ってきて――

●作品の背景や個人的な感想

本作は以前、某新人賞で高次選考まで残った作品です。
今福さんがプロになったあとで編集さんに見せた際には、壮絶なストーリーがネックになったとのことでした。

ですが私は本作を拝読し、Hybrid Libraryからぜひ刊行させて欲しいとお願いしました。

重たいストーリーへぐいぐい引き込まれる。頭を殴られるような衝撃のクライマックスなのにエンディングと読後感はヒカルの笑顔のように爽快で、頭を真っ白にされるかのような感覚を覚えました。

私も一人の書き手として、この吸引力とインパクトは悔しい、ずるいなと思いました。

Kindleで4月末にリリースしてから数ヶ月。
売上げはまだ数十冊というところなのですが、特筆すべき傾向が一つあります。
Kindleでは、Kindle Owner's Libraryという、Kindle端末(paperwhite、Fireなど)を持っててかつプライム会員の人が月1冊無料(※対象:KDPセレクト登録作品)で読めるという制度があります。そして、それで無料ゲットして読まれた場合、読まれたページ数が日間でこちらにわかります
本作「スマイル」は……無料ゲットした方が過去全員、1日程度で一気読みしています。数字の動き方を見ていると、一晩で一気読みという風に見えます。

私自身にとっても本作は、後が気になって後が気になって「読まされた作品」でした。

↓はいぶらりーの公式ページでは、著者今福さんのメッセージなども載せています。

気になった方は、ぜひ読んでみて頂ければと思います。


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