ポジティブ物書きの雑記帳

物書き、弥生肇のブログ

【2016年夏コミ】新刊告知/艦これ「雪風」の手記本出します

夏コミの2日目、8/13(土)に参加します。スペースは東J-40a「春夏秋冬春一番

●新刊

「陽 ―奇跡と呼ばれた駆逐艦の手記― 第一集」

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文庫/140ページ
文章/弥生肇、 装画/我新すみ、 表紙意匠/ぶやん(箱庭計画)
イベント頒価500円

艦これ二次創作。大戦を生き抜いた駆逐艦雪風」が、戦後に手記をしたためました。この第一集では、とある少女が佐世保で艦娘に志願して、訓練の末に佐世保鎮守府で「雪風」となり、呉鎮守府へ配属となるまでを振り返ります。

<目次>
第一部 佐世保の司令長官と秘書艦
 幸せな、はじまり
 先輩艦娘
 初めての海上演習

第二部 駆逐艦雪風』と『磯風』の誕生
 軍に誘われた少女
 陽炎型八番艦に任命されて
 お酒と、語らい
 大切な双眼鏡

 

●新刊の本文サンプル

pixivに掲載しています。

 

●通販もやります

BOOTH (※コミケ終了後、1~2週間しての発送となります)

 

●その他、お品書き

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よかったら、夏コミへお越し下さい!

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【2016年夏コミ】艦これ同人小説のオススメ

今年も8/12~14にコミックマーケット、通称夏コミが東京ビッグサイトで開催されます。何十万人が訪れて様々な創作物が行き交う世界でも最大級のイベントです。

その中で、私がハマッている艦これ二次創作の小説本について、オススメの本やサークルを極めて私的な基準でピックアップしてご紹介しようと思います。 

ちなみに艦これの二次創作作品が頒布されるのは夏コミ2日目、8/13(土)です。(サークルによっては例外的に他の日の可能性があります)

●2日目東K-06b/サークル「きっ(o゚ω゚o)ちん」

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おしながきを見ていただければお分かりかと思いますが、豪華な装幀の小説中心合同誌をバンバン出しているサークル「きっ(o゚ω゚o)ちん」です。約20人で組織的に運営・分業体制をとって制作物をリリースしています。
(※今年7月末から私もこのサークルの末席に加えていただきました。今冬のから寄稿予定です)

さらりと読める短編から読み応え抜群の長編、漫画やイラストも掲載されていて、商業出版物ではありえない、同人だからできる、やりたいことを振り切った本に出会えると思います。ぜひ足を運んで、本を眺めてみるだけでもしてみてはいかがでしょうか。

コミケWebカタログリンク

 

●2日目東D-20a/サークル「主の本棚」

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五月雨の小説を書かせたらこの人!と言いたくなる天凪さんの個人サークル「主の本棚」です。
ただかわいい五月雨ちゃんではなく、シビアな闘いとその葛藤の中で必死に前へ進もうとする、真摯な彼女の姿が魅力的。他の創作物ではなかなかお目にかかれない、しかし確かにこれこそ五月雨だと頷ける、そんな小説が読めます。

コミケWebカタログリンク

 

●2日目東J-32a/サークル「妖精時計」

とても骨太の小説を書かれる印象のある高坂さんの個人サークル「妖精時計」です。
今回は戦後の時雨と提督の平和ないちゃラブを書かれるとのことで、とても和やかなお話かなと思ってサンプルページをペラペラ拝見していると後半がなんだかとても不穏で期待が高まります。

コミケWebカタログリンク

※同・J-32a委託!

 こちら、叢雲が秘書艦の作品委託頒布もあるようです!

  

●2日目東N-13b/サークル「和の駅」

なごみさんの個人サークル「和の駅」です。しばらく前からいろいろな艦娘のケッコンカッコカリ本を出しているのですが、そのためにゼクシィを買って読み込んでから書かれたとのことで、描写からなにから本格的です。
好きな艦娘のケッコンカッコカリ本があれば、読んでみてはいかがでしょうか(自分だと感情移入できなければ逆に嫉妬で死んでしまうかもですが)。

コミケWebカタログリンク

 

●2日目東 J-51a/サークル「Eight Inch Nails」

MIBさんの個人サークル「Eight Inch Nails」です。「余計者艦隊」シリーズという、知る人ぞ知る人気な艦これ小説の3冊目が今回の新刊。既刊の頒布も少量あるようで、またウェブに1巻・2巻の内容も公開されている↓ようです。

SS投稿掲示板Arcadiahttp://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&all=39739

コミケWebカタログリンク

 

 ●2日目東J-55a/サークル「弾丸遺伝子」

仲島敏司さん(または美人さん) の個人サークル「弾丸遺伝子」です。大鳳で、ラノベ風味のしっかりした装幀と内容の本をいつも出されています。大鳳にスポットを当てた小説というだけでも数は少ない気がしますので、こちらを買ってみれば間違いないのではないでしょうか。

コミケWebカタログリンク

 

●2日目東J-40a/サークル「春夏秋冬春一番

 私です。大好きな雪風を書いてますので、よろしくお願いいたします。
イラストは我新すみさんに描いていただきました! このご時世にアナログの水彩画です、本当にありがとうございました……。

コミケWebカタログリンク

小説ではないですが、すみさんのTwitterだけ、下記に引用させてください。

 新刊間に合ってくださいませ……

 

●2日目東K-03b/サークル「CASTLEPOINT」

「ダイナミック転職作戦」、いったいどんな話なのか……!

コミケWebカタログリンク

 

●2日目東K-10a/サークル「松平組」

艦娘で海洋レースって聞いただけで期待しちゃうのは私だけでしょうか…!

 コミケWebカタログリンク

 

●2日目東J-55b/サークル「軌道回路」

大鳳本、こちらにもありましたー! ほんのりR18とのこと、大鳳好き急げ!!

 コミケWebカタログリンク

 

●2日目東J-59b/サークル「PMC-studio-防人」

ヲ級を鹵獲して深海棲艦と戦わせる……とても気になる筋です!!

コミケWebカタログリンク 

 

●2日目東K-16b/サークル「さんふらわあ屋島

 神通本! 商船合同誌の方もそそられます。

コミケWebカタログリンク

 

●2日目東J-46a/サークル「アカシャエフェクト観測委員会」

まったく違うタイプの2種の本を用意されてるようです!!

コミケWebカタログリンク

 

●2日目J-49a/サークル「I'll be」

望月と三日月…! 添付pixivの作品の過去編に当たるようです。

コミケWebカタログリンク

 

●2日目N-26b/サークル「魔境八王子」

 猫な艦娘……ということで、多摩ちゃんがメインの小説のようです!!

コミケWebカタログリンク

 

以降、追記検討中

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引き続き、私が拾い切れてないサークル/作品、そもそも認知してないなど、もろもろあるかと思います、自主的に気づいたら追記していきますが……
私へTwitterリプライまたはブログへのコメント頂ければ、この記事に紹介を追記していきます!!!!

よろしければご活用くださいませ。

 

体調をしっかり整えて、夏の祭典を迎えましょう!

2016年夏を盛り上げる、3つの電子書籍企画

今夏は電子書籍界隈でおもしろい動きがいくつかありますので、ここでご紹介したいと思います。

【前置き/電子書籍未体験の方へ】

本題に入る前に、以下のような意見をお持ちの方のために、電子書籍のいいところを簡単に記載しておきます。

Kindleとかの、電子書籍専用端末を持ってないから読めないんです」

専用端末は不要です。スマホでもタブレットでもパソコンでも読めます。
詳しくは、ちょい古いですが下記記事を。


「紙の本でいいじゃねーか、電子書籍なんか!」

電子書籍でしか出てない本がいろいろあります
・紙の本は置き場の問題があります
・手軽に持ち運べます
・紙の本より安いことがほとんど

私自身も紙の本が大好きです。でも置き場に限りがありますし、電子書籍には特有のメリットがいろいろあります。
もし電子書籍の食わず嫌いをしている方がいるならば、読むためのアプリは無料、電子書籍も無料本がいろいろあるので、お試しにでも触ってみることをオススメします

 

【本題/今夏を盛り上げる3つの電子書籍関連企画】

1.Kindle unlimited

Amazonが提供している電子書籍Kindleで、8月から読み放題サービスが始まると言われています(米国や中国その他、いくつかの国で既に行われているサービス)
現在、Amazonの公式見解はサイトから消えてしまっているのですが、一時期サイトで「980円で5万5千冊読み放題」という情報ページが出ていました。

読み放題の対象書籍は、出版社・出版者が了承した書籍になるようです。集英社が参加しないと宣言しているようですが、講談社小学館は参加を決めている模様。ただ、結局どの程度の本が対象になるかは始まってみないとわからないので、なんとも言えません。セルフパブリッシング(個人出版)本が大半になるのではないか、とも言われています。

NPO法人日本独立作家同盟理事長の鷹野凌さんが書かれた下記記事がとても詳しいので、興味ある方はご覧ください。

また、このKindle unlimitedがリリースされると思われる時期に合わせて、最大手規模のAmazon Kindle情報を提供しつづけている「きんどるどうでしょう」さんが、コミックマーケットにちなんで『アンリミケット』と命名した企画を実施します

どのような企画かについてを上記記事から引用すると、以下2点。

1. 7月下旬までに同人誌・もしくは個人出版物をKindle電子書籍にする (*すでにKindle配信済み作品は除く)
2. Twitterハッシュタグ #アンリミケット にキャッチコピー/作品名・作品URLをツイート

要するに、7月下旬~末にKindleで新たに電子書籍を刊行してハッシュタグをつけてつぶやけば、きんどうさんが宣伝に協力してくれるという企画です。

作家さんの方々は、電子書籍化してない既存作品などをこの機会にKindle本にしてひとくち乗るのも面白いと思いますよ。

 

2.COMITIA117「紙&電子同時発行」企画

コミティアという、オリジナル作品(※二次創作でない作品)の最大級同人誌即売会が東京で年4回開催されていて、今年の8月21日で117回目。(なお、東京以外にも日本各地で開かれています。東京だけで117回目)

そのコミティア開催日の8/21に、紙の同人誌と電子書籍の同人誌を同時に発刊してまとめて宣伝して、紙の同人界と電子書籍の側とで盛り上げようという企画があります。

詳しくは上記公式サイトを見て頂ければと思いますが、

コミティアのグループ活動「部活動」に参加して共同認知を図る
電子書籍に「COMITIA117新刊」というタグを入れて検索で拾われやすくする
KADOKAWA系列の電子書籍ストアBOOK☆WALKERが協賛してくれていて、BWに登録された該当電子書籍はこの企画のBW内まとめサイトに入れて頂ける

などの特徴があります。

コミティア参加者の方は、この機会にぜひ電子書籍にも手を出してみてはいかがでしょうか。私も間に合うかわかりませんが、新刊を合わせようと企んでいます。

 

3.セルフパブリッシング 夏の100冊 2016

作家が出版社を通さずに本を刊行することを、電子書籍では特に「セルフパブリッシング」、略して「セルパブ」と呼称することが多いです。
電子書籍の刊行は、紙の本に比べて低コストで実施できます。それゆえ今はたくさんの作家さんが自由に小説、エッセイ、写真集、その他様々なジャンルの本を刊行しています。

有名な商業作家さんがセルパブを行うこともありますが、ほとんどのセルパブ作家さんは残念ながら無名。本を刊行しても、知ってもらう機会に恵まれません。

そんなセルパブ作家さんたちの本の情報をまとめて出してしまった企画が、「セルフパブリッシング 夏の100冊 2016」です。大手出版社が小さな冊子にまとめて夏に配っているアレの、セルパブ版です。

この企画は、「ぱぶにゃん」を名乗る謎の生物(Twitterアカウント)が立ち上げ、100人強の作家さんに声をかけてまわり、かたちにしてしまいました。(※ぱぶにゃんが何者なのか、声をかけてもらった私も実はよくわかってません)

できあがった紹介本は本の紹介だけでなく、いくつかのセルパブ作家さんの対談なども掲載しています。しかも無料。上記サイトから本へアクセスできます。

セルパブは確かに商業出版物に比べて洗練されていない面があるかもしれません。しかし、セルパブにしか扱えないジャンル、内容、他のどこにもないような小説などに溢れています。この「夏の100冊」をぺらぺらめくっているだけで、予想だにしない内容の本との出会いが必ずあります

また本件以外にも今夏、「このセルパブがすごい!」という企画が動いています。こちらはたくさんの人たちに票と感想を募り、セルパブ本の中でもオススメの、注目されている本がわかる内容となるようです。興味がある方はそちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

以上、3つの企画を挙げてみました。他にも私の知らない電子書籍の企画があるかもしれませんね。

今はSNSのタイムラインや各種情報ソースから、莫大な情報が勝手に届けられてくる時代です。本やゲームや様々なコンテンツの情報が濁流のように流れてきて、しかも無料のものがたくさん。選ばなければ、遊ぶものに困ることはないでしょう。

しかし、そんな毎日になぜか退屈を感じることがありませんか? それは、自分の本当に望むもの、楽しいと感じることを探すプロセスを経ていないからだという気がします。
要は宝探しです。宝は簡単に見つからないからこそ、見つけたときの感動もひとしお。楽しむためのコンテンツも、流れてくる評価の高いものをそのまま受け取って遊んでも、探す苦労なく宝を受け取っているから、その娯楽から得られる喜びが無為に減ってしまっている気がします。
そうではなく、誰も知らないような宝を自分の手で見つけ出してみませんか。発見したときの快感、誰かに教えたくなる気持ちは、その瞬間にのみ感じられるユニークなものだと思います。
電子書籍に限らず、そういう娯楽の探し方をすると、毎日がちょっと楽しくなるかもしれません。

オリジナルの、『描きたいモノ』の海へ足を運んでみませんか?

明日5/5、東京ビッグサイトコミティア116が開催されます。
コミティアとは、創作(オリジナル)ジャンルオンリーの同人イベントです。

同人にあまり詳しくない人は、「同人誌って、マンガやアニメの二次創作で、えっちなのばっかりなんでしょ?」って思っている方がすごく多いのではないかと思います。

実際は、同人誌の半数以上はオリジナルのマンガや小説、イラスト集、評論本などなど、とにかくあらゆる本が作られています。著者の個性と『描きたいモノ』を詰め込んで、本の装幀までに想いを巡らして形になったものが本として並んでいます。
同人をバカにしてる人ほど一度会場を見てもらいたい。本当にあなたは今の同人がどんなものなのか、知っていますか?


お時間ありましたらぜひともコミティアへ足を運んで、本屋には絶対並んでいないような、作家ひとりひとりの『描きたいモノ』に満たされた海を感じてほしいと思います。

コミティア」「お品書き」などで検索すれば、マンガやイラスト集、小説、人に寄っては雑貨や日用品まで、いろいろなものを好きなように作って頒布するのがわかると思います。

私もその海の中にぽつんと参加しています。かれこれ5年ほど参加しています。

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頒布作品に関しては、私のBOOTHを見て頂ければ内容も少しわかります。

 

アマチュアの個性溢れる電子書籍を無料で読んでみませんか?

私が主宰しているインディーズ(同人)電子書籍レーベルHybrid Libraryは、昨年4月末に始めて1年。1周年を迎えました。

ちょうどGWでもありますし、この機会に、刊行物のうち以下2作品の無料キャンペーンを実施します。よろしければ読んでみてくださいませ!
刊行形態はAmazon Kindleになります。

青春くろーび (Hybrid Library)

青春くろーび (Hybrid Library)

 

 ※無料期間はGW前半:4/28の17時頃~5/3の17時頃予定

女の子達の、青春柔道物語です。柔道、熱血スポーツもの、そしてほんのり百合が好きな方にオススメな小説です!

 

ダイヤモンドダスト: ―灰になった宝物― (Hybrid Library)

ダイヤモンドダスト: ―灰になった宝物― (Hybrid Library)

 

 ※無料期間はGW後半:5/3の17時頃~5/8の17時頃予定

昔懐かし風味のSFファンタジー。私の著作です。
非力な発明家ポブが、謎の少女"雪華姫"の心と身体を救う、ボーイミーツガールです。かわいい妹も出て来ますよ、たぶん。

紹介動画もあります。

www.youtube.com

 

※※「電子書籍って、どうせ専用端末を買わなきゃ読めないんでしょ?」って方へ

私が書いたこちらの記事をお読みください。専用端末は不要です!

yayoihajime.hatenablog.jp

 

アマチュアの個性溢れる電子書籍を無料で読んでみませんか?

さて、盛大な前置きを終えまして(笑)、ここからが今日のブログのタイトルに絡むお話となります。

私のHybrid Libraryはもちろん、電子書籍界には、セルフパブリッシングという形で自分の本を刊行している人がたくさんいます
Amazonストアなどで、本の説明の中に「これはセルパブです」「これは商業出版社から出ています」という表示がなにもなされていないので、セルパブ作品だけをソートしたりできないのが悩みどころなのですが、本当にたくさん刊行されています。

セルパブをしている人たちの99%以上はおそらく儲かっていません。月に1冊も売れない人だってゴロゴロいます。私の「ダイヤモンドダスト」も今月は2冊しか売れていません。
「儲かってない」たって、自分で出してるから元手はゼロだろうって思われる方がいるかも知れません。確かに、実費はゼロの人もいるかも知れない。表紙も本文も全部自分で作って、電子書籍化の作業もなにもかも一人でやって、実費ゼロだから元手ゼロと考えることは、できなくはないです。でも、その作業時間はどれほどのものでしょう?
私のHybrid Libraryの場合は、プロのイラストレーターやデザイナーに協力してもらっています。1作品を作るために数万円以上を実費で払っています。これでも、本当にわずかな金額しかお渡しできずに心苦しいのですが。
ダイヤモンドダスト」はイラストやデザインに5万円を払っています。私はHybrid Libraryのサイトの維持コストに年1万円ほどかけています。費やした労力はどれほどでしょうか。
それに対し、1冊売れて入ってくるお金は209円です。未だ全然回収できていません。

それでも!!!!

アマチュアの作家たちは、セルパブをしています。それどころか、今回のHybrid Libraryのように無料キャンペーンをうつことも少なくありません。なぜか

簡単です。読んでもらいたいからです。

「だったら小説家になろうに小説を載せればいいじゃないか」という反論もあるでしょう。確かにそれは一つの選択です。ですが、「なろう」の小説と、電子書籍として1冊をダウンロードして読むのは、全く違う読書体験です。
「なろう」の小説は、投稿1件ごとに読者が読みやすいようにサイトが設計され、著者も読者が1件を読んで楽しめるように書いています。つまり、極めて読みやすく、投稿1件を読む数分の間に盛り上がりがあるような書き方をされている作品が多いのです(そういう作品が脚光を浴びるシステムでもあるので)。
対し、電子書籍としてセルパブされた刊行物は真逆の傾向のものもあるでしょう。著者の書きたいモノをこれでもかと流し込んでいて、アマチュアゆえにときには稚拙で、ときには過剰な美文が並び、もどかしいストーリーがだらだらと続くかも知れない。難解かも知れない。内容が薄いかも知れない。でもそこには、本1冊という広いフィールドの中で「オレはこれを書きたいんだぞ!」というものが、著者それぞれのスタイルで描かれています。この傾向は、商業出版物や「なろう」よりも圧倒的に顕著です。なぜなら、「こうすれば売れる」「こうしないと売れない」「こうすればランキングで有利だ」というような思考から比較的遠く、むしろ、「儲からないけど、赤字だけど、無料ででも、読んでもらいたい」という信念に特化した形で書かれているからです。

私の今日のブログ自体が極めて読みにくい感じになってしまいましたが(爆)、勢いに任せてちょっと腹の中のことをぶちまけてみました。

なお、個人的には、「無料でばっかり作品を放出するからアマチュア小説は軽く見られやすいんだよ」と思ってもいるんですけどね苦笑。
やたらめったら無料や低価格にするのではなく、なんらかの「読んで欲しい」以外のプラスアルファの意図、つまり戦略を持って無料作戦を採っていきたいと、個人的には思う次第です。

 

とにかくも。
セルフパブリッシングされた電子書籍には、商業出版物やランキングシステムのあるWeb小説にはない、著者の個性が溢れています。そしてそれが、しばしば低価格や無料で公開されています。
ひと味違う読書体験したい方は、このGW中にでも、セルフパブリッシング作品に手を出してみてください。

コンサート「神曲たちの饗宴」に行ってきて感じたこと

4/23(土)、「KEY OF LIFE -神曲たちの饗宴-」というゲーム音楽のオーケストラコンサートが東京でありました。FFとキングダムハーツから選りすぐった曲を演奏するという、有志による催しです。

演奏を聴きながらゲームをプレイしていた当時のことをいろいろと思い出す、タイムスリップ空間に浸るかのような時間を過ごすことができました。

演目は上記サイト内にもありますが、コンサート当日に配布されたプログラムの記述に従って書くと以下の内容でした。

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KINGDOM HEARTSより

「Dearly Beloved」

「Kairi」/「Night of Fate

「Traverse Town」

Princess' Waltz
「ビビディバビディブー」/「いつか夢で」/「いつか王子様が」

「The Beauty and the Beast

Kingdom Hearts Battle Medley
「The 13th Struggle」/「Tension risng」/「Darkness of The Unknown」

Vector to the Heavens」

 

FINAL FANTASY より

「Prelude」/「風の追憶~悠久の風伝説~」

「更に闘う者たち」

「エアリスのテーマ」

FINAL FANTASY VIII メドレー
「Fisherman’s Horizon」/「Force Your Way」/「Eyes On Me」

FINAL FANTASY IX メドレー
「いつか帰るところ」/「ローズ・オブ・メイ」/「守るべきもの」/「Melodies of Life」

Final Fantasy Battle Medley
「閃光」/「ビッグブリッヂの死闘」/「Other World」/「The Man With The Machingun」/「J-E-N-O-V-A」/「Those Chosen By The Planet」/「片翼の天使

FINAL FANTASY X メドレー
「ザナルカンドにて」/「シーモアバトル」/「いつか終わる夢」

 

●Encore
「Dearly Beloved」(別アレンジ)/「MAIN THEME」


そういえば、動画サイトでこのコンサートの曲をまとめている人がいたので、そのリンクをぺたりと。

www.youtube.com

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いくつかの曲で、思い出したことなどをつらつらと書いてみましょうか。

「Traverse Town」。私はキングダムハーツでこの曲が一番印象に残っていて、今でもたまに口ずさんでしまいます。ゲームで最初に訪れる街の曲で、プレイヤーを温かく出迎えてくれるような楽しげでゆったりした曲です。街中を、ドナルドやグーフィーとうろうろしていた景色が思い出されました。

「The 13th Struggle」キングダムハーツをプレイしていたのは2000年代前半なのでディテールはだいぶ忘れてしまっているんですが、このボス曲の一つを聴くと、イケメンなXIII機関の連中とガチャガチャ闘ってたときのことがなんとなく思い出されます。

「風の追憶~悠久の風伝説~」。FF3のフィールド曲。これぞ古き良きジャパニーズファンタジーRPGと言いたくなる曲です。植松伸夫さんのアレンジCDやコンサートなどで、今までにも数々のアレンジがなされた曲ですね。

FF8メドレー/FF9メドレー。この辺を聴いてる頃には涙腺がだいぶ揺さぶられてました。その前のFF7の曲らは、聴きすぎて慣れていたところがあったんですが、8や9をメドレーとして演奏されると、物語全体や当時のことがふーっと記憶の底から浮かんできました。
Eyes on Meを歌ったフェイウォン、今はどうしているのだろう。
FF9といえばやはり黒魔道士のビビですね。彼の生涯は壮絶で、でもきっと幸せだったのでしょう。

FFバトルメドレー。ある意味ずるい、なにを並べても盛り上がってしまう気がするFFのバトル曲。ビッグブリッヂやマシンガンは、やはり過去のFFのCDやコンサートでだいぶやり尽くされてるんですが、地味に、最初の「閃光」で鳥肌が立ちました。閃光=ライトニング、つまりFF13のバトル曲ですが、ものすごく高揚感のある曲だと今更ながら気づきました。
あとは、「J-E-N-O-V-A」から「Those Chosen By The Planet」、そして「片翼の天使」に続けるFF7曲三連発。ジェノバセフィロスの設定、星の生命までも巻き込む物語……FF7はやはり壮大で、かつ楽曲面から見ても狂気に満ちていて(笑)、今なお名作として語り継がれる作品だと痛感しました。

「いつか終わる夢」FF10の、とある夢の終焉を思い出させる曲。このコンサートの終幕としても、楽しい時間が終わってしまうことを告げているようで、とても切なく感じました。というか、ザナルカンドからこの曲でしめるメドレーのせいで、「FF10をまたプレイしよう」と決意しました。PS2版発売日に買ったディスクをまだ持ってますしPS2もまだ健在なんですが、どうしようかな、リマスター買っちゃおうかな……。

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ゲームの中の印象的なシーン、そのときの曲、
キングダムハーツの主題歌「光」を宇多田ヒカルさんの武道館ライブで聴いたときの気持ち、
FF7でリミットブレイクしたときの効果音とそこからリミット技を放つ昂ぶり、
発売日から四日間廃人プレイしてクリアしたFF10
まだ小学生の頃に親もいるリビングのテレビで友人といっしょにスーファミをプレイしてた頃……
いろいろと思い出しました。

鮮明に覚えていることもあれば、断片的な記憶になっているものも。

ただ一つ言えるのは、どれも楽しかった思い出で、物語や曲やキャラクターが絡み合って記憶に残っているということでした。

小さい頃は長時間ぶっ続けでプレイして親に怒られ、大学生以降は生活ぶん投げて夢中になって、と。そのくらいどっぷりと浸かって楽しめるのが、あの頃のゲームでした。

……あんまり悪く言いたくはないのですが、最近のゲームでこういう遊び方をできるものに出会った記憶がほとんどありません。なくはないのでしょうが、こういう、ゲームらしいフィクションというより、バーチャルリアリティを追求した面白さであったり、キャラクター集めや日課プレイなどでなんとなく縛られていたり……そういうプレイヤーの掴み方をするゲームが多い気がします。

これは別に、今のゲーム業界が悪いとかそういう話ではなく……私自身も含めた、人の生活様式の変化のせいの気がしてなりません、最近。

昔は、半日どっぷりゲームをしていても邪魔する人やモノはありませんでした(親以外)。
でも今はSNSなどで常に誰かと連絡を気軽に取れる状態で、スマホがご丁寧に通知などを出して教えてくれます。ツイッターFacebook、LINEなどで常に新しい情報が流れ込んできます。
パソコンは高性能になり、ゲームをしながら他のことをいくつも同時にできるようになりました。だから、アニメ観ながらゲームしながら絵を描きながらツイッターするなんてことができてしまう。

長時間、たった一つのことにどっぷりのめり込んで没頭する機会を、現代人はなかなか持てない(持たない)気がします。せいぜい、映画館やコンサートくらいじゃないでしょうか。

たくさんのことを同時に実施できる、あるいは、常に誰かと連絡を取り合える、最新の情報を摂取できる、24時間どこでも仕事ができる……文明の発達と生活様式の多様化は素晴らしいことだと思いますが、代わりに、一つの物事を徹底的に楽しむ、集中する、熱中する……そんな時間が縁遠くなっていないでしょうか。

めちゃくちゃたくさんのことをやってきたけど、気がついたら全部浅くしか自分の中に残ってないぞ、というお年寄りにはなりたくない。
今からでも、大事なものには一個一個、全身全霊撃ち込み、あるいは楽しみ、一つでも多くの「KEY OF LIFE」を人生に創っていきたい。

そう思い直すきっかけになるくらいには素敵なコンサートだったし、FFやキングダムハーツ、その他いろいろと、一生ものになっているゲームがあります。もっとそういう娯楽と出会いたいし、そういうものを創りたいですね。


とりあえずは、スマホもなにもかもOFFにして、FF10を今度は三日でクリアする挑戦でもやりますかね……(今の体力でやると死にそうですが)。

 

●●●番外編●●●

途中でちょっと触れた、植松伸夫さんの過去のいろいろなアレンジCDなど、ですが。

私が数え切れないほど再生した、お気に入りのCDをいくつか貼っておきます。今は新品入手なんて不可能だと思いますが、itunesとか、なんかデジタルで買う手段があるんじゃないでしょうか。

ちなみに上の四枚は04/10/1発売ってなってますが、その日にAmazonスクウェアか誰かが登録したんでしょうかね。あるいは再販? 初版は全部90年代発売のものです。

ファイナルファンタジーIV ケルティック・ムーン

ファイナルファンタジーIV ケルティック・ムーン

 

 

ファイナルファンタジーV ディア・フレンズ

ファイナルファンタジーV ディア・フレンズ

 

FF4と5のアレンジCDは超名盤だと思っています。 

 

 

ファイナルファンタジー ヴォーカル・コレクションズII(ラヴ・ウィル・グロウ)

ファイナルファンタジー ヴォーカル・コレクションズII(ラヴ・ウィル・グロウ)

 

 この2枚のヴォーカルコレクションズは本当に傑作。

 

FINAL FANTASY SONG BOOK まほろば

FINAL FANTASY SONG BOOK まほろば

 

 清田まなみさんの声が素晴らしいんです。なんどかライブに行きました。

 

 これは中古でも入手難っぽいですね……FF1~6のアレンジ楽曲の中から植松さんが選りすぐったCD。これはCD自体よりも、初回限定版についていた植松さんのエッセイ本「人生思うがまま」が名著なのです。当時小学生だった私は、何度も何度も読み返しました。今でも私の生き方の一つの指針となってる本です。もちろん今でも持ってます。

↓ブログに残してくれてる人がいた。ご参考まで。

blogs.yahoo.co.jp

 

というわけで。素敵なコンサートをありがとうございました。

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●●●番外編2●●●

最近、ゲーム業界に関する記事で必読なのがこちらでしたね。念のためここにも貼って、ゲームとは、娯楽とはなにか、自分の中の戒めとしておこう。

news.denfaminicogamer.jp

集えスヌーパー(orピーナッツァー)/「I LOVE スヌーピー」を観て

昨冬に公開された映画「I LOVE スヌーピー」。
劇場では観るタイミングがなかったのですが、Blu-rayを購入して視聴しました。

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私はスヌーピー好きです。
旧ブログの記事で、2013年のスヌーピー展について無駄に熱く語ったことがあるくらいであまりスヌーピー好きだと公言してないんですが、私はスヌーピーを観ながら物心をつけていったと言ってもいいくらいに、幼少~小学校中学年くらいの間はスヌーピーのアニメを繰り返し観ていました。(一番好きな作品は「スヌーピーの大冒険」)
 
冒頭から脱線しましたが。そんな私が観た結果、「I LOVE スヌーピー」は大満足の映画でした。ラストシーンはボロボロ泣いてしまうほどに。
スヌーピーやチャーリーブラウンはもちろん主要キャラが全員参加で、かれらがかつてアニメの中でやっていた動きや雰囲気がそのまま3Dの映像になっていて、お話の中にそれぞれの個性でこれでもかと溢れている。90分足らずの中に、よくもまあ「PEANUTS」の魅力をこれだけ詰め込んだなあと唸る内容でした。
 
ただ、映画館で観た知人が「微妙だった」と以前話していました。それを思うと、本作はスヌーピーについてまったく知らない人、特に愛着がない人が観たら、確かに微妙なのかもしれませんね。
私自身は、もっとも「良い方」に解釈しうる人間ですし笑。
でも、スヌーピー好きを自称できるような人(特にアニメ)には、是非ともオススメしたい映画です。 
以下、余談ですが。本作の感想をTwitterでつぶやいたところ、いつも仲良くしてる2人からリプライをもらったのですが、なんと偶然ながら、2人とも全く同じPEANUTSの一節を引用してきたのです。
このセリフ、永元さんに言われて下記記事で引用されていたと知ったのですが、これで知った人が多いのでしょうか。

news.mynavi.jp

「カードを配ってもらえない未婚男性は、ゲームが開かれている場所をまず死にものぐるいで探すしかないのさ」なんて付け足したくなる、30代未婚男性な私の今日この頃です。